「ねぇ、きぃさん、質問していい?」

「何? 大地くんが改まるなんて、珍しいよね?」

私が買って来たリンゴを切ってると、恐る恐る大地くんが声を掛けてきた。



初めてこの病室で出会ってから、2週間が過ぎようとしている。

その2週間、私は容態の変わらないお兄ちゃんの所に顔を出してから、大地くんの病室で過ごすのが日課になっていた。



その間に分かったのは、大地くんが22才で私より4才年下なのと、交通事故でケガをして入院してるって事と、両親は高校在学中に他界して親戚も居ないって事。

私の方も両親は12年前に亡くなって、それからお兄ちゃんに育ててもらった事や、そのお兄ちゃんがバツ1で愛子育ててたのに、仕事中のケガのせいでいつ目を覚ますか分からなくなってしまった事とか話した。



お互いなんとなく波長も合い、今ではすっかり昔からの知り合いのように打ち解けていた。