「まず、初めに。
真麻みたいに、僕たちの家系と何の関係もなく能力を持つ人はとても少ないんだよ」



そう、少ないんだ。


しかも真麻の能力は強い。これは極めて稀な例。


「真麻が能力を持ったのは、人間の進化が突飛してしまったからだと考えられていて、自然の産物っていう説が強いんだ。


だけど僕たちは違う。

僕たちの祖先であるイヴさんは人の手によって作られたんだよ。科学の力でね。


今、クローンとかそういう研究が表舞台ではされているけど現実は違う。裏ではもうそんなこととっくの昔に完成していて、人間が持つはずの無い能力を与える事だってできる。


いや、出来たって言うほうが正しいのかな?


作れたとしても、すぐに死んでしまうんだ。作られてた人って。

完成から3日ももたずに命を落としてしまう。


けれど、一人だけ。生きの延びた人がいて。


その人がイヴさんだよ」



ちらっと二人のほうを見た。


真麻はなんとかついていってるけど・・・。

武士はちんぷんかんぷんな顔。


まあ、馬鹿だから仕方ないか。


少し残念な気分になったが、話を進めた。