懇願する瞳を見るとなんだか罪悪感が沸いてくる。 そうだ、武士はまだ僕の体のことを知らない。 いい機会なのかもしれない。 僕の思いを断ち切るため、 コイツの思いを断ち切るため、 双方にとっても大切な事実。 「どうしたの? 体の調子が悪いの?」 まるで小さな子どもに聞くように、それでもやさしさがにじむ声で言う。 その声を聞くと切ない。