姫里が心配して受けさせられた検査で、僕の心臓はあまり長くもたないことがわかった。 長くても20歳まで。 それが僕に告げられた余命。 けれども、死ぬことに対して恐怖感は不思議とない。 いつ死んでもおかしくない状況に立たされ続けていると、そういった感覚が麻痺してくる。 果てしなく広いように感じるクローゼットでぽつんと座る僕は余りにも、小さく思えた。