素敵な片思い

う~ん。何だかスッキリしない。


普段忙しそうだから話しかけにくいし、もう誘ってくれるチャンスに恵まれないかも。


「相原さん、オレ昨日…何かやれへんかった?それで敬遠とかはナシやで」


小玉さんはニヤリと笑う。


「えっ!?悪いどころか…すごく心強い事言われましたよぉ?おかげで今日一日すごく楽しくて」


「そーなん?オレえ~コト言うたんや」


やっぱり…本当に記憶ないんだぁ。


ショック。


「そうですね。小玉さんのプラス思考、ちょっと分けてもらいました」


「えーこっちゃ。暗ぅなっても仕方ないしやなぁ…。嫌なヤツは笑顔で負かしたれよ?」


「…ハイ」


小玉さんの言う、嫌なヤツとは。部長…?


「お~。オレも相原さんに元気もろた!頑張って午後の資料まとめるわ。ほなな」


階段を駆け上がる小玉さんの後ろ姿を、また見ていた。


私で元気がでたなんて。小玉さんは元から元気なくせにね。


落ち込む事もきっとあるけど…あんまり人には見せなそうな人だな。


嫌な事があっても、人の心配してそうな、そんな人のような気がする。