素敵な片思い

…しょうがない。小玉さんを…断るかぁ。


あぁ、私のバカ。何で知りもしない葉月さんの誘いにのったのか。もしかしたら杉浦くんの情報集めかもしんないし。


モヤモヤしながらロッカーを出ると、朝杉浦くんと出会った階段で、今度はバッタリ小玉さんと会った。


…ラッキー。ついでだから今言おうか。


「おっ!昼飯?」


「ハイ。小玉さんは、もう食べて来たんですよね?」


午後出勤だしね。食べてなかったら今から一緒にランチって手もあるケド、そんなに甘くないか。


「おぅ。もう食ってきた。さすがにな…遅刻して、出勤した途端にメシはないやろ」


「そーですよねぇ。…あの、今日の事なんですけど」


「ん、嫌んなった?」


「い…嫌じゃないです!すごく嬉しかったんです。けど…約束あるの忘れてて」


私がそう言うと、小玉さんは優しい笑顔を見せてくれる。


「あ、マジで?ほなしゃーないな。また行こや」