素敵な片思い

「…ハイ」


「小玉くん、ふざけてるでしょ?たまにあるんだ、こーいう事。あんな先輩の背中見て育っちゃダメよ」


彼女はフッと笑うと使い終わったマジックを、勢い良くホワイトボードに投げた。


…二日酔い?


小玉さんのイメージが…


壊れてくぅ。


もっとバリバリ、仕事をこなす営業マンかと思った。


「…あの、午前中にクライアントとのアポなかったんですか?」


「今日はたまった内勤するって言ってたから、多分大丈夫…。そんな事心配してないで、自分の身を案じたら?また今日も部長に絞られるわよ~」


彼女はニヤリと笑い、私の顔を覗き込む。


そうだった。また怒られるのかなぁ。


シュンとした顔をした途端、彼女に肩をポンと叩かれた。