素敵な片思い

「…杉浦?あ~、アイツよく書いてくの忘れんのよね。部長に聞かれて困るの私だっつの。

…あ、とりあえずコレ書いてくれてありがとね!」


…あら。笑うと素敵。


キツく見えるけど、笑うと目尻が下がり、怒ってる時とは180度違う優しい笑顔の人だった。


「いえ…。え、何ですか?」


彼女、去ろうとする私の手を掴む。


「で、どこ行くって?」


「そこまでは聞いてないです。時間だけ書いてって言われたので」


「あっそ。やっぱ使えない、アイツ」


彼女はそう吐き捨てると、席に戻って誰かに電話していた。


やっぱ、って杉浦くん色々やらかすのかな~。メニューの事とか、昨日もちょっとヤバそうな雰囲気あったしね…。


男性として頼もしいトコも多少あったけど、


…やっぱり小玉さんだよね。


うん、あの人しっかりしてそうだし。笑顔も生き方もカッコいい。


私がそう思ってると…。


「ちょっと!?小玉くん!」


さっきの彼女の叫び声。