素敵な片思い

遅いって言っても…始業時間までまだかなりある。


営業さんは出社時間がかなり早いから、私たち事務の出社時間は遅く感じるのかなぁ。


「杉浦くん、昨日ごめんね。タクシー代返すから…」


「いらね。こっちこそ悪かったな、付き合わせて」


杉浦くんは階段を上がって来て、私の二段下まで来る。


これで、目線は…ちょっと上ぐらい。


ありさちゃんの言葉が頭をよぎる。


お持ち帰りの噂…かぁ。


カノジョを大切そうにしてそうだけど…やっぱ、めちゃくちゃカルいのかな。


そんな私の表情を見て、杉浦くんはニヤリとしたまま首を傾げる。


「何か言いたいコトでも?」


え…と。まさか正直に聞くのも何だし…。


「…二日酔い大丈夫?」