朝、いつものように会社のロッカーで着替えていると
横山ありさちゃんがロッカー室に入って来た。
うわ…珍しー。
営業の彼女は、スーツで出勤だから…私たち事務員のように着替える必要もない。私物は自分の机周りや、フロア内にある部署専用ロッカーに全て入れている。
てなわけで、普段はほとんどロッカーを利用しないんだ。
「うみ~!オハヨ」
横山ありさちゃんは、突然私を下の名前で呼ぶ。
ロッカーで着替えていた他の先輩たちが、少し驚いて私たちを見ていた。
女性の営業を採用したのは今年の新入社員からで、横山ありさちゃんその他同期の女の子はちょっと別格な扱い。
事務しかしない私たちと違い、外に出て営業もできるし、内勤もできてと、オールマイティーに何でもこなせる。


