素敵な片思い

私が唖然とする間にも、タクシーの扉は閉まり、スッと静かに車体が動く。


杉浦くんは片手を軽くあげ、私が乗るタクシーを見送ってくれた…。


うわぁ、さっきのは冗談だったんだ。


…焦ったぁ~。





胸がドキドキしてる。


…刺激が強いよ。


イタズラが過ぎる。





あんな事して…


もし私が杉浦くんに期待してたらどうするつもりよぉ。


本当にもう。






さっき杉浦くんがポケットに入れた物を確認すると、


タクシーチケットが入っていた。






うわ、やられた。


これで払えってか。







…不思議と、


心がポカポカとあったかくなった。




何だ、アイツ結構いいヤツじゃない。


…明日、改めてお礼言おう。