素敵な片思い

ビビりながら杉浦くんを見上げると…


「ぶっ…すげーブサイク」


って吹き出された。


な…によぉ。ほっといてよねぇ~?


「うるさ~」


彼を睨むとニヤリと笑い、私のポケットに何かを入れた。


「そんな顔すんなって。冗談じゃんか。

それ、さっき介抱してくれたお礼にやるわ。…じゃーな、また明日」


…へ?


タクシーは、三階建てマンションの前に停車したんだけど


杉浦くんは車からあっさりと一人で降りてしまう。


「相原、自宅どこ?」


「え…、瀬田」


「じゃ、瀬田までお願いします」


扉の隙間から少し顔を覗かせ、運転手さんにそう告げた。