素敵な片思い

「あ…止まって」


突然、杉浦くんが私の体を片手で制する。


…どうしたの?


駅に向かってたハズの杉浦くんは、道路に出ると、何を思ったか


突然、通りすがりの


タクシーを停めた。






…あれ?どうしたんだろ。


うち、そんな近くないし。タクシーで帰る距離じゃ。


「…乗れよ」


えっ?


何を思ったのか杉浦くんは、私を…今拾ったタクシーに押し込んだ。


パニクってる私をよそに…


冷静な杉浦くんは、運転手さんに行き先を告げる。







嘘ぉ…。


知らない地名。


私…拉致られちゃう!?






怯えた目で杉浦くんを見ると、肩に腕を回される。


「帰したくなくなった…。なぁ、うち泊まってけよ」


な…なんなの、コイツ。人格変わってますけど。


「や…だ、冗談だよね?」