素敵な片思い

「あれっ。なんか固い。これ……」


助手席のシートベルトがうまく引っ張りだせない。


先週は、普通に使えたのに。


「どれどれ?」


杉浦くんが私の前に来て、シートベルトを引っ張ろうとしている。


ちょっとぉ、どうする? 顔が……急接近!


ドキッ!と高鳴る心臓。


杉浦くんは、そんなことにも気付かず、私に横顔を見せたまま、シートベルトと格闘。


「あっれー、おかしいな。さっき高さ調整したからかぁ? 相原、一回降りて……」


杉浦くんが、パッと私の方を見た。


ドッキーン!!


ヤバイくらいに、杉浦くんの顔が、目の前に!