「これ、はずせば?」


「……え?」


右手にはめていたリングを、杉浦くんに抜きとられた。


杉浦くんは笑みを浮かべ、それを手におさめる。


「飲み会んときみんなにコレのこと突っ込まれてたのに、結局はずさねぇんだもんな~。


なーんか見てるだけでヤだしさ。あ、アレか?元カレにもらって……捨てらんね~とか?」


「もー、違うし。ただ、気に入ってる。それだけだよ……。返してくれる?」


杉浦くんをにらんだけど、あんまり効果がなかった。


「あのさ、コレ、オレもらっていー?」


「は?なんでぇ?それ、気に入ってるんだから……ちょっと」


運転席に身を乗りだし、杉浦くんの手をつかもうとしたら、ヒョイとよけられた。


「次カレシできたら……これ返す」