素敵な片思い

「……へぇ」


へぇ、としか言えない。だって、期待させるのもどうかと思うし。


「さっきさー、山のぼりの話聞いてめっちゃ思った。あ、コイツ……苦しいこと好きだよな、って」


「……はぁ!?」


「え?だってさー、山のぼりなんかツレーだけじゃん。相原って、苦しいコト好きだろ?

今も小玉さん選ぶっちゅー高望みしてっからな。あ、オレも結構ハードル高いけどな?」


杉浦くんは、そう言って、笑った。


やっぱ、コイツ……バカ。


もういいや、って思って、私が歩きだすと、


杉浦くんが後を追ってきた。