素敵な片思い

「同じ大学だったんは確かなんだけど、それは後で知った。実は、オレが海でバイトしてる時カノジョに声かけられて。

オレが好きな海で出会ったし。…だから、何か運命なんかなーとか…さ」


…ふーん。ここで、ノロケ?


杉浦くんの事、ちょっと見直した私の気持ちも一気にさめる。


「…そっかぁ。じゃー、カノジョとお幸せに」


海で自分から声かけに行くよーな女の子なんだ。すごいね。


初めは、カノジョの方が入れ込んでたんだろーなぁ。


でも、今や。杉浦くんが追いかける立場に。


杉浦くんを見ると、こっちを見ていた。


…えっ、何?


どぎまぎして…私も杉浦くんに見入ってしまう。


「ちょっと…危ないから、前見て運転してよぉ」


「あのさー。オレ、気付いた」


杉浦くんは、フフっと笑うと


また前を見て、運転を続ける。


「…え、何に気付いたの?」


「…後で言う」


後で?


杉浦くんはそう言うと、さっきまでとは一転、何だか嬉しそーな顔になった。