素敵な片思い

「…そだな。そー見られても、仕方ないっか。でもさ、マジで海好きなんだ」


…海が好きって、


私の名前って…今カンペキ忘れてるよね。


杉浦くんの言葉と、切ない表情を見て…不覚にも、ドキドキする自分がいた。


「だっけどさー、大学入ったら…カノジョできて、デートすんのもそこそこ金いんじゃん。

一、二年の頃の夏場は市民プールの監視員とか、海の監視員とかやってたんだけどさ、

やっぱ金になんねーしそういうバイトしてる場合じゃなくなってきてー…やめた」


やめたっつーか、諦めた…かな


って、杉浦くんはボソッと呟いた。


「何で?続ければ良かったのに…。どうせそのバイトは夏場だけでしょ?」


「カノジョが一番許してくんなくて。ほら、あーいうバイトって結構女の子に声かけられっから」


…ナルホド。


杉浦くんの引き締まった肉体とこの顔に…寄ってくる女は多いだろーね。


「つーか、カノジョもその口なんだけどなー」


「…え?」