「せっかくおんなし会社に入ったんやし?何かの縁やん。

だから、相原さんも…仲良ぉなりたかってん」


仲良く…。


学生の頃は、友達がたくさんいて毎日楽しかった。


敵は勉強ぐらいだったかな…。


たまに意見が合わない子がいても、その時は絡まなきゃいいし、やり過ごせる。


そして、体育祭や文化祭で共同作業すれば、突然仲良くなったりしたっけ。


でも社会に入ると、合わない人とも嫌でも接しないといけないもんね。


仲良く…っていう言葉が、不思議な響きに聞こえた。





「ま、さすがに部長と仲良しっちゅーワケにはいかんけどやな。そこは臨機応変やな」


小玉さんは、部長についてはハハハと笑い飛ばした。


「あ…そーだ。明日っていうか、今日部長と仕事なんですよね?寝てないのに…大丈夫ですか」


「大丈夫なワケあるかぁ。しゃーないから帰りのフェリーと電車で、アホほど寝る!」


アホほどって…。





そう言いながらも、


少しすると…隣りから、


小玉さんのいびきが聞こえてきた。