素敵な片思い

小玉さんより先に、慌てて部屋の外に出たけど


二人はもういなかった。


…ヤッバぁ。


「小玉さんっ。私たち…勘違いされましたよ?」


「…は?あぁ…アホやな、あいつ」


小玉さんはやっと事態を把握したらしく、ジャージを履いて苦笑い。


「どうしましょう…」


「ほっとったらえーんちゃう?そのうち、帰ってくるやろ。

クソー。ありえへんやん、そんなん。…なぁ?」


「…ですよねぇ?しかも、相手は私だし。それこそありえないですよねぇ…」


ありえないって言われ、ちょっとテンション下がりぎみな私。それ見て小玉さんが慌ててフォロー。


「いや、相原さんとがありえへんっちゅうかやな…。シチュエーションがありえへんやろ。やるならどっか連れ出すわ」


あはは…。


まぁそれこそありえない話なんだろうけど。リアルな感じの冗談に、少しだけドキリとさせられた。