素敵な片思い

小玉さんは彼女に、うちの新製品をあげていた。


「えーっ!いいんですかぁ?これ…見たことなぁい」


「えぇよ。まだ市場に出回っとらへんから、貴重やで~」


彼女は意外に嬉しそう。…さっきの喧嘩は忘れてしまったみたいで、不機嫌そうな顔は、ニコニコ笑顔に変わった。


「これって…」


カレシの三四郎くんが、カノジョの手にある物を見て困惑の表情をしている。


「うちの会社のなんやけど、サンプルたくさんあるからなぁ。…あ、欲しー?部屋ん中にまだよぉけあるから、あげるで」


小玉さんが部屋に入ろうとすると、カノジョが喜んで後ろについて行こうとしてる。


三四郎くんは慌ててそれを止めた。


「さゆり~!一個もらえば十分だろ。お邪魔してすんませんでした。じゃあ、楽しい旅行を」


彼はさゆりちゃんを引きずるように、自分たちの部屋に入って行く。


…かわいいカップル。


三四郎くんが年下な割りには、カノジョのさゆりちゃんの方が年下みたいだよね。