素敵な片思い

「相原さん。仕事…慣れてきた?」


「そーですね。まだわからないコトだらけですけど…。とりあえず、あそこに座ってるのが精一杯っていうか」


あははと愛想笑いをすると、先輩はちょっと悲しげに微笑んだ。


…哀れみの微笑み?


「だよねぇ。でも、相原さん…良く頑張ってるよね。私、この会社入った時今の部署で何もできなかったもん」


「そんなコトないです…。もー毎日テンパってますから」


「ううん、しっかりしてるし。…私もやっと、決心ついた」


決心…って、何の?






キョトンとしてると、先輩は私の顔を覗き込む。


「あのね、私…来月退職するんだ」


「…え」


本当に…。え、って言葉しか出て来なかった。