素敵な片思い

小玉さん…


呆れたかな。


こんな事言い出すなんて、私も最悪だ。






タクシーの中でしばらく小玉さんは携帯をいじっていた。


数分経った後、パタンと携帯を閉じる。


小玉さんも…杉浦くんみたいにカノジョにメールかな?朝から仲いいんだねぇ。…羨ましー。





「ごめんな、ちょっと焦っとって。時間遅らせてもーたから、相原さん一回家送ったるわ」


「えぇっ!?いーですよぉ。そんな…営業優先して下さい!」


「え~ねん、今日約束しとった相手、仲良ぉしとるヤツやから。どのみち他にもアポあったみたいでな、オレのはいつでもえーって」


隣でニッと笑い、少し屈んで下から私の顔を覗き込む。


「会社行くにはまだかなり早い時間やろ?メイク直しといでや」


うわ…バレてるし。


昨日のままってわかったんだ。


…やだ~。見られたくない。


手で顔を覆うと、小玉さんはクスクス笑い出した。