素敵な片思い

「…うん。そろそろ、帰りたいんだけどぉ」


「だよな。ちょっと待ってな、着替えるから…」


杉浦くんはフラフラと立ち上がると、ベッドの方へ歩いて行く。


そして今着ている薄手のシャツを脱ぐと、さっき脱ぎ捨てた会社に着ていっていたワイシャツを手に取る。


「えーっ?それ違うよ」


慌てて杉浦くんのそばに寄ると、半目で振り向かれる。


…あれ、何か酔ってない?


寝ぼけてるにしては、目が据わってるケド。


テーブルの上にあった梅酒のボトルを持つと、まだまだあった中身がかなり軽くなっていた。


…嘘ぉ。私がトイレ行ってる間に、まさかロックで飲んだのぉ!?


これじゃ送ってもらえないよぉ。


「あ~い~はら~っ」


杉浦くんは、ベッドにペタンと座り私の名前を叫ぶ。


コラコラ。近所迷惑…。