素敵な片思い

「さ。語り合いましょか?」


杉浦くんはソファに座る私の隣に腰を下ろすと、ジンジャーエールをグラスに注ぐ。


語り合うって…別に何もないんだけど。


「相原、今好きなヤツいねーの?」


「へっ?…いないよ」


「じゃ~、誰か紹介してやろっか。オレの学生ん時のツレとか」


「…いいよぉ。ついでに飲み会開いてって言うんでしょー」


「ハハ。バレた?会社入ったら出会い増えっかと思ったけど、そうでもねーよな。うちの会社、新卒の新入社員は営業しかとんないし、ありさみたくバリバリな女は好みじゃね~し」


「コラコラ。何、出会い求めてんの?」


「求めるって。オレさ~、このままでいーんかなって…焦るっつーか、最近の悩みだな」


ジンジャーエールが入ったグラスを傾け、ゴクゴクと喉を潤している。


上下する喉仏を見ると、女の子みたく綺麗な顔してても、やっぱり男の子なんだよね…って、自覚せずにはいられない。