素敵な片思い

「おーっ、うまそ」


「あ、もう上がったんだ?」


作った物をお皿に盛り付けていると、シャワーを浴びた杉浦くんが私の肩越しにテーブルを覗き込んでいた。


「相原やるじゃん」


「揚げただけだよ~」


「いやいや。会社帰ってこんなん食えるなんて最高じゃん。味噌汁もあんの?いいねぇ」


振り向いたら、杉浦くんはちゃんと服を着てくれていた。


…良かった。


生乾きの髪が色っぽい。なまじっか綺麗な顔してるから、見とれちゃいそー。


洗い立ての香りが、唐揚げに負けないぐらい私の周りに漂い…ちょっと持ってかれそうになる。


いやいや。何考えてんだろ。


「さ~、食おっかな。相原は?何かつまむ?チーズ、クラッカー、ポッキー色々あるぜ」


「おつまみ充実してるねぇ」


「つまみが夕飯になる日もあっからな。ビールと枝豆にピーナツだけとかな」


だから体調悪いんだよ。すごい食生活ぅ。


「カノジョって、そーいうコトには無関心?」