素敵な片思い

フロアの中を覗くと、小玉さんの部署だけスポットで明かりがついていた。


やっぱりあの部署だけかぁ。


…残ってるのは


あれは、杉浦くんだね。


一人で頑張ってるのかな?


20時に戻って…まだ仕事してるんだ。いつ帰るんだろ。


邪魔しちゃ悪いけど、一声かけて帰ろうか。






「お疲れ。杉浦くん、まだいたんだ?」


「へっ?あれ…相原。何でいんの?」


「この近くでご飯食べてたから」


「へ~。そーなんだ?羨まし~。オレ、飯まだ」


杉浦くんはお腹を押さえ、ひもじそうに笑う。


「お腹すいたよね。まだ終わらないの?」


「そ…だなぁ。帰ろーと思えば帰れんだケド。あとちょっとと思うといつまでもやっちまうんだよな~」


「何か買って来よーか?食べないと体に良くないよ」


杉浦くん細身だし、食も細いのかな。昨日はそれなりに食べてた気するけど。