素敵な片思い

「いるみたいですよぉ?」


結婚したいカノジョが…ね。


カノジョの方は、どう思ってるのか知らないケドぉ。


その瞬間、葉月さんがカウンターに身を乗り出してくる。


「嘘っ!いるのぉ!?」


あはは…やっぱり狙ってたんだ。


「んー。なんかそんなハナシ聞きました」


「そっか…。あ~残念っ。せっかくイケメンが入ってきたと思ったのにぃ~」


葉月さんがガックリとカウンターに突っ伏す。


「うちの会社、他にもカッコいい人いますよね?杉浦くん以外にも」


小玉さんとか~…って頭に浮かべながら、呟いてみる。


葉月さんはグラスを手に取り、カラカラと氷を鳴らす。


「他に?え~、みんなフリーじゃないし。新入社員にかけてたのになぁ」


えっ。


みんな!?


顔に出てたのか、松本さんに一瞬の表情を見破られた。


「あれ?相原さん、誰かお気に入りの人いたの?」


「えっ、いませんよぉ」


ヤバ。


慌てて取り繕うも、松本さんはニヤニヤして近寄ってくる。