君を知ったその日から






改めて思うに、女子はうざい。


「なー、絵里」

「何?」

「高平君と宮野君と仲良いよなぁ」

「そうやなぁ」

「めっちゃ羨ましいなぁ!!」

「…………」


そう言いながらキラキラと目を輝かせている女の子を見て嫌そうな表情を浮かべた絵里は、何が言いたいんだと思ったに違いない。


ものすごく嫌な顔をしているのだけど、誰も気付いていない。



恐らく、自分の世界に入っているのだろう。


「…私、トイレ行ってくる」





その場からなんとしても逃げたいと思っていた絵里は、そう言って教室を出た。