琴子が俺をどんっと
突き放すのと同時に


運転席から怒鳴り声が響く。



驚いた俺は
はぁっと大きく息を吸い込む琴子から体を離し


運転席を見た。



「剣志郎。美咲様も抵抗をしてるんだ。場所をわきまえなさい。」



「あぁ..はい。」


真面目腐った宗にあっけに取られ
思わず素直に返事した。



宗は俺がモノゴコロついた頃から
佐々家に遣われている。



12コ離れた
俺にとっては兄貴的存在だ。