―――…ある日。
いつものように
あたしたちのクラスに遊びに来ていた百合亜ちゃんが
なぜか頬を赤くしていた。
「美咲さん。..わたしね。」
「百合亜ちゃん?どうかしたの?」
少し照れ気味に口を開く百合亜ちゃんの声に
あたしは耳を傾けた。
「わたし、好きな人ができちゃったんだぁ。」
「え?」
....ドキン!
突然の言葉にあたしは
ビクッと反応してしまう。
あたしはきっと百合亜ちゃんの口から
“剣”の名前がでるんだろうと
嫌な予感がしたから。
...だけど
百合亜ちゃんの口からでた言葉は
思いもよらない人物の名前だった。
「あのね。..わたし二宮くんのことが好きになっちゃった。」
あたしの耳ともに手をあて
ヒソヒソ話で百合亜ちゃんがそう言った。

