『どうしたの?』 ベルは背を向けたまま足を止めたリオンに尋ねた。 リオンはベルに背を向けたまま、両手の拳を強く握りしめていた。 『リオン?』 ベルは様子がおかしいリオンを気にかけた。 しかし、リオンは背を向けたまま顔をうつむけていた。 『リオン、どうしたの?』 ベルは心配していた。 『何でもないさ。別に…何でもないさ』 そう告げるリオンの声は少し震えていた。 『泣いてるくせに何でもない訳ないじゃない』 ベルはリオンが震わす背中から、リオンが泣いている事を見透かしていた。