『夢?夢って…またあのヴァンパイアに故郷を襲われた昔の夢っすか?』
グリスは疑問を尋ねた。
『ああ。8年も前の夢をいまだに見るなんて…』
リオンはそう言って、腕で額の汗を拭った。
『余程、そのヴァンパイアの恐怖が染み付いてるんですよ』
グリスはそう言って、頷きを見せた。
『ヴァンパイア…』
リオンはそう呟きながら、強く拳を握りしめた。
ボォー!!ボォー!!
そんな時、汽笛が鳴り響いた。
『おっ、港に着いたみたいっすね。さあ、兄貴。下りる準備をしましょう』
グリスはそう言って、船から下りる準備をした。