『誰だっ!?』


リオンは勢いよく背後を振り返った。


振り返ったリオンの目の先には、黒い長髪で赤い目をギラつかせ、鋭い歯が2本伸びた悪魔が立っていた。


『何だ、お前?』


その悪魔の姿に怯えながら、リオンは震える声で尋ねた。


『私か?私は…クッククク。私はヴァンパイアの王ヴァルスラージュだ、クッククク』


悪魔、ヴァルスラージュはリオンを見つめがら自らの素性を話した。


『ヴァ…ヴァンパイアの王…ヴァルスラージュ?』


ヴァルスラージュに見つめられているリオンは、今にも背筋が凍りつきそうだった。


『私が怖いか?少年よ』


ヴァルスラージュは悍ましい声でリオンに尋ねた。