カレシ


ピピピピッピピピピッ

アラームの音で目が覚める。

今日は土曜日。
もうお昼だった。


昨日のことはもしかして夢なんじゃないかな

そう思ってケータイを見ると、先輩からのメールはちゃんと残っていた。


ルンルン気分でメイクをする。

今日はバイトが終わってから
あゆみと会う予定。


あたしは軽くごはんを食べると、お母さんにバイト先まで送ってもらった。

あたしは高校2年の時から近くのケーキ屋さんでバイトをしている。

週に1回しか入ってないけど、バイトの中では一番長くやってるし、仕事は完璧に覚えている。

時給はちょっと安いんだけど、ここの40歳になる女のチーフとは仲が良く、シフトの都合もちゃんとしてくれているので長く続けれていた。


「おはよーございまーす」

挨拶しながら店に入ると、チーフが裏でコーヒーを飲んでいる所だった。

「あらっ北川さん今日はやけに機嫌が良さそうじゃない」

何かあったでしょーっとチーフが聞いてきた。

良くんとの話はチーフにもしてあったし、チーフは話している時に泣いてしまったあたしをよしよしと慰めてくれるようないい人だった。

「聞いてくださいよチーフっ!」

あたしはバイト着に着替えながら、昨日あったことをペラペラ話し出した。


「いやーん!うらやましいっ」

チーフはこの手の話が大好きで、とても熱心に聞いてくれるのであたしはちょっと得意になる。

「ほんと若いっていいわねぇ」

仕事が始まっても、もう一人のバイトの子を交えてその話に花を咲かせていた。