カレシ


重い足取りでまきの元へ戻る。

まきはあたしを見つけると、すぐにかけ寄ってきた。

あたしの雰囲気から、これから聞く話はいい話じゃないことを悟ったみたい。

「…ゆい、次の授業はサボろうか」

あたしは力なくうなずいた。



授業の始まりの鐘が鳴ると、ほとんどの学生がカフェテリアから出て行った。

さっきまでガヤガヤと騒がしかったのが、今は嘘のように静まり返っている。

まきは飲み物を買いに行ってくれていた。


あたしは一人でさっきの良くんの話を思い出していた。

やっぱり何回考えても、何で付き合いながら解決できないのか、何で連絡すらとれないのか納得行かなかった。

連絡くらいとれるのに…

連絡とったらまずい理由でもあるとしか考えられないよ。

それに良くん、今日もバイトだって言ってた。その子もいるかもしれない。付き合ってほしいって言われてるくらいだから、その子は猛アタックしてると思う。
アドレスだって交換してるに違いないよ…あたしとは連絡とらないけど、その子とはメールとかしてるのかな。あたしと連絡とらなかったこの1ヶ月間も、その子とは連絡とってたのかな。
それにアタックされてるうちに、あたしよりその子がよくなっちゃうかもしれないじゃん。

もう不安ばっかりだよ
良くん…