カレシ


「…もしもし?」

声が震える。

「ゆい、久しぶり」


…あぁ、良くんだ。

懐かしい声。ずっとずっと、聞きたくてたまらなかった声。

「今大丈夫?」

「うっうん。昼休みだし大丈夫」

声が裏返る。
あたしほんとに余裕ないなあ。

「あ、ちょっと待ってて」

カフェテリアはうるさいので、まきに電話してくると伝え人気のない所まで歩いてきた。


「ごめん、もう大丈夫だよ」

あたしがそう言うと、良くんが話し出した。

「ゆい、ちゃんと約束守ったか?」

「うん、他の男なんて興味ないよ。まだ良くんのこと好きだよ?良くんは?」

「そっか…俺もまだゆいのこと好きだよ。ゆいと戻りたいと思ってる」

「じゃ、じゃあ!!」

「待ってゆい、でもこの1ヶ月の間にちょっと問題が起きて…」

ドクンッ

「も、問題って…?」

「あぁ…ちょっと言いにくいんだけど」

「うん…話して」

…嫌な予感がした。