カレシ


息を切らしながら、カフェテリアのドアに手をかける。

急いで中に入ると、周りを見回した。

ほとんど人のいないカフェテリア。


入口の近くに座る後ろ姿。


いた…


あたしは息を整えると、恭くんに向かって歩き出した。



「恭くん…?」


あたしは小さく声をかけた。

ビクッとして恭くんが振り返る。


「ゆ…い、何で…」

「手紙読んだよ」

「あ、そか…いきなりごめんな」

恭くんはあたしから目を反らした。

「ここ、座ってもいい?」

あたしの問いかけに、戸惑いながらうなずく恭くん。

あたしは恭くんと向かい合って腰を下ろすと、誤解を解くために話し出した。


「恭くん、もしかしてあたしが元カレと寄り戻したって思ってる?」

「え…そやろ?元カレと寄り戻すから帰りたいって…」

「あれ、嘘だよ…?」


そう、恭くんはあたしがとっさに考えた嘘を真に受けていたんだ。


そしてあたしは、恭くんが寝てからの話をし出した。


恭くんは納得したようにうなずくと、ごめんなと言った。


二人の間に訪れる沈黙。


先に口を開いたのはあたしだった。