カレシ


「それでさ、しつこいアタックにあいつも付き合うことにしたらしいんだけど」

「彼女には悪ぃけど俺はあいつが彼女に惚れたとは思えなかったな」

あたしは黙って視線を反らし続けていた。

「大学終わってからだって、バイトない日は大体俺と遊んでたし。…けどそのうち彼女がいきなりあいつんちに転がり込んできて。」

ハァ―…彼女の話なんて聞きたくないよ

「"アパート解約してきたから、一緒に暮らしたい"って…。その時のあいつの落ち込みようったらまじなかったよ」

その人は苦笑いをした。

「でもあいつも"アパート解約してきた"なんて言われたら、断るに断れねーでさ。それで一緒に暮らし始めたってわけ。」


「はぁ…、、」


「でもすぐに、あいつも嫌気がさして来たみてーで、色々理由つけてほとんどアパートに帰らずに、俺んとこで泊まってたよ」


まじ迷惑、とか言いながらその人は続ける。


「そのうち別れてぇとか言いはじめたんだよあいつも。で、別れ話は何回もしてたみたいだぜ。」

「でも彼女、気ぃ強えから。その度にキレられたり、大号泣されたり…あいつも相当参ってたよ」