カレシ


あたしはキスをせがむ恭くんに、優しくキスをした。

唇が触れるか触れないかの、軽いキス。

でもそれじゃ満足行かないのか

「もっとゆいが欲しい」

と言ってくる。

「…恥ずかしいよお」

とあたしがキスをやめると

「ほな、俺がしたる」

と、ガバッと起き上がり、上に乗って来た。

手を顔の横でつながれていて、
身動き出来ない。



「ゆい…好きやで…」

恭くんはそう言うと、あたしにキスを落とし、唇の隙間から舌を絡めてきた。

「ん…ッ!!んふっ―…」

息をしようと逃げようとしても、恭くんは強引に舌を絡めてくる。

そのせいで、たまに出来る隙間から、吐息がいやらしく漏れてしまう。

「ふっ、ふぅんっ!!」



恭くんが唇をはなした時、あたしはもうクラクラしていた。

「…ゆいはほんまにたまらんわ」

そう言ってもう一回、今度は優しいキスをくれる。


恭くんはあたしの横に寝転ぶと、腕枕をしながらあたしを抱き寄せた。

「エッチはまだせーへんからな…?」


てっきりもうしちゃうんだ、と思っていたあたしは何だか拍子抜けした。


なんで?とも聞けず、うなずくと恭くんはそのまますぐ眠りについてしまった。