結局、車に乗るまで無言。


気まず…電話の時は普通だったのにな、、


先輩は運転しようともしない。


妙な緊張感が走っていた。


「…先輩どーかした?」

勇気を出して話しかける。

「ん―…」

何か言いたそうだ。

「あたしのせい?」

気になってたことを聞く。

「えっいや、ゆいちゃんのせいやないで、俺が悪いんやけどな…」

先輩は何か言い辛そう。


あたしもテンションが下がる。

「あたし…やっぱバスで帰るよ…?」


この空間にいづらくて、そんなことを言ってしまった。


「やっごめん!ほんまにゆいちゃんのせいやないんよ?せやからそんなこと言わんといて?」

先輩は焦ってそう言うと、こう続けた。

「こんなこと言うたら、引かれてしまうかもしれんけど…」

「何?」

「ゆいちゃんさっきの男と、仲えーやん?」

え、、直樹くんのことだよね…?

「頭なでられてるとこ見たらな、なんやそいつにめちゃくちゃ腹立ってきてな」

先輩は苦笑いをする。

「俺のゆいちゃんに何すんねん!!てな(笑)」



"俺のゆいちゃん"…?



「付き合うてる訳やないのに、ほんまごめんな」


そんなこと言われたら―…


「ほな送ってくで」


…―本気で好きになっちゃうよ