「先輩っ!」

と言いながら先輩にかけ寄ると、やっぱりここでも周りの視線が痛かった。

一緒に駐車場に歩き出す。

すると、昼休みに先輩に声をかけてきた二人とすれ違った。


「ハァ?今の誰!?」

「さぁ~彼女じゃないことは確か!」


だよね~!!安心っ

なんて言ってるのが聞こえる。

…声でけーっつーの。

あたしはちょっとイラついた。

チッ!こっちは今から先輩に送ってもらうんだし!

そう思うと振り向いて、その子達をにらむ。

その子達もこっちを見ていて、バチッと目が合ってしまった。


「超こわあい!!キャハハ」


…わざと大声で言ってんのか


あたしは更にイラつき、わざとらしく大声で先輩に話しかけた。

「先輩っ!わざわざありがとね」

ざまーみろ

なんて思っていると、先輩の表情が暗い。


…あれ?


先輩は"おう"とだけ言うと、スタスタと歩いて行ってしまう。

えっ先輩機嫌悪い?


何でだろ、と思っていたけどなかなか聞けない。

いっつも笑顔なのに、今は笑顔のカケラもなかった。