カレシ


「はーい」

「あ、ゆいちゃんもう終わった?」

「終わったよ、さっきはごめんね?」

「えーよ、レポート間に合ったん?」

うぅ…っ

「…おかげ様で」

「さすがやな!(笑)」

「ま、まあね」

「てかゆいちゃん今どこ?もう帰るやろ?まだバス出てへんよな?」

「ん?今丁度バス停着いたとこ」


「ほんなら送ってったるから、一緒に帰ろーや?」

「えっいいの?」

「えーよ、今日まともにしゃべられへんかったからな。バス停まで迎え行くから待っとり」


分かった!と電話を切る。


バス停にはもう着いていたけど、直樹くんは自分のバスに乗らずに、電話が終わるのを待っていてくれていた。

「誰か来んの?」

直樹くんが聞いてくる。

「あっうん!ほら、例の先輩が送ってってくれるって!!やったあ!」

嬉しくなってテンションが上がる。

まきのおかげで、彼女がいるかもしれないと言う疑いは、自分の中で薄れていた。