「確かに、あなたの言葉でとても傷ついた。
だけど今までそれと同じくらいあなたには助けてもらったし
だからもしあなたが今苦しんでるとしたら、助けてあげたいの」



それに、こんなあたしでも傷ついたりするんだ、普通の感情だってあるんじゃないって気づけたの。



「百合ちゃん…」



清香が、あたしの名前を呼ぶ。

あたしのことを名前で呼んでくれる女の子も、あなただけ。



「本当は、リセットしたかった
こんなわたしなんか。

本当は、そらも、百合ちゃんも、誰が悪い訳でもないって知ってるの
でも、今までいじめられたのもそらのせいで、彼氏に振られたのは百合ちゃんのせい、
誰かのせいにしなきゃわたしの気持ちの居場所がなくて…

ごめんなさい」



清香が目の前で深々と頭を下げている。



「確かに、世間一般から見ると清香より遥かに私の方が美人と言われる人種なのかも知れないけど、」

「百合ちゃん、素直すぎ」

「うん、でも、あたしが言いたいのは
清香は清香じゃない。ってこと」



清香には清香の良さがあるのだし、
あたしにはあたしの良さがあるのかも…知れないし。

少なくとも……



「あたしは、あたしなんかよりずっと、あなたの方が魅力的だと思う。」