「百合ちゃん、どうして?」



屋上について
第一声、彼女が口にした言葉。



「わたし、あんなにひどいこと言ったのに」



ひどいことを言ったっていう、自覚はあるのね。

彼女の方に近付くと、あたしは自然と清香の手をとっていた。



「清香は今でも私の本当の友達だと思うから、もう一人で傷ついてほしくない」



清香は目をぱちくりとさせて、こちらを見ている。



「あなたが言ったんじゃない。」



あたしはもう、微笑み方を知っている。

そして、つられて笑ってくれるのよね、あたしの知っている清香は。



「……百合ちゃんって、ほんと変。
傷ついてるのは、百合ちゃんでしょ?」