「でも…わたしがこんな事言っていいのかわからないけど…百合ちゃん、ほんとにそらのこと、なんとも思ってないの?」

「え?」



少し落ち着いてから早瀬さんがそんなことを言った。



なんで、

人がせっかく…



「だって、冗談言うような人じゃないもん、百合ちゃん
きっと優しいからわたしが本音を言いやすいように気をつかって…」



あたしが、優しい?



「違う?」



優しいだなんて、
誰にも言われた事がなかったから

どんな反応をするのが正解なのだろうか。



「だって…
そらは早瀬さんが好きじゃない」



冷静、冷酷って言われてたあたしが



「あたしが何言ったって変わらないじゃない」



すごく動揺している。



「けど、あたし…」






「あたし、早瀬さんを見てたみたいに、そらにあたしのこと見て欲しいって思ってる
だから…あたしのことも、少しでも、知ってもらいたい…」



あたしらしくない。

らしくないことを言ってしまった

けど、あたしの本音なのだろう。

早瀬さんが目をキラキラと輝かせて、なぜだか嬉しそうな表情を浮かべている

そらの目は、見れない。



「わかった」



少しして、そらがそう返事をした。