裏庭は、早瀬さんの言う通り一面花で埋め尽くされていて、すごく綺麗だった。

ただ、こんな人達と一緒っていうのがなければ…もっと素直に綺麗だと口にして喜べたはず。



「清香さぁ、あんたなんでこんなやつと一緒にいる訳?」

「失恋したばっかだし、余った男恵んでもらえるーとか思ってんでしょ」

「そっ、そんなこと…」



目の前の女達は、腕を組みながらあたしと早瀬さんを取り囲んで交互に見る。



「だよね、清香がこんな奴と友達な訳ないよねー」

「そっ、そういう意味じゃ…」



どうやら彼女達は、どうしてもあたしを孤立させたいらしい。

だったらお望み通り、独りになるわよ



「友達じゃないわよ、こんな人」

「百合ちゃん?だってこの前…」

「あんなの本気な訳ないじゃない、信じちゃって馬鹿みたい」



彼女達の間をくぐり抜けて行こうとすると、やはりただで帰してはくれないみたい。

何人もの手に突き飛ばされて、地面に手をついた。



「まじ最低、死ねよ」



だから、同じ言葉しか言えないの?あなた達って。

ボキャブラリーが少なすぎ。

憐れんだ目で彼女達を見上げると、汚い靴で蹴られる



「ちょ、ちょっとやめてよ、良くないよ」



早瀬さんが、あたしの前に出る。

ちょっと、慣れないことしないでよ、あなたはそんな勇敢な人じゃないじゃない

だって、ほら、足が震えてる