しばらく沈黙があって、先に口をひらいたのはあたしの方だった。



「あームカつく。」

「えっ」



どうしてこんなに腹が立つの



「つ、月島さんでもイライラしたりするんだね」

「当たり前じゃない、人間だもの」



って、まるであいだみつをね、これじゃ



「せっかく来てくれたのに、嫌な気分にさせちゃってごめんね」



ほんとに、その通り。

今日1日すごく不快だった。



「わたし、嫌われるのとか、重いって言われるのが怖くて、素直に嫌って言えなくなっちゃって…何でもうんうん言ってたら、結局だめになっちゃった」



だからあたしが彼の事を悪く言った時も、振られた時も、何も言わなかったの

だけど嫌われるのが怖いだなんて、あたしにはわからない

だってきっとあたしは間違いなく学校一女子に嫌われてる女子だから。

今さら…ね。



「こんな結果になっちゃったけど…でも、わたし月島さんに嫌いって言われてたから、今日来てくれてすごく嬉しかった、ありがとう」



あたし、早瀬さんが嫌いだなんて、言ったかしら。



「それはきっと嫉妬しただけよ、あなたに」



あたしにはない何かを持っている早瀬さんに。



「えっ、月島さんがわたしなんかに…?」



早瀬さんが目をまるくしてあたしを見る。