誰もいない屋上で、空を見上げる。

ここは立ち入り禁止だから誰も来ない、唯一の憩いの場。

風が腫れた頬を冷やして、気持ちがいい。



あたしはなぜか、この学校で"クールビューティ"と言われているらしい。

どこがクールでどこがビューティなのだろう。

皆がそう呼ぶ意味がわからない。
そのせいで、男をとっただの色目使っただの、訳のわからない妬みを買って、さっきみたいに大勢の女の子に呼び出される。

なんなの?あたしに、どうしろと?



フェンスに手をかける。

なんだか、全体重かけてよしかかったら、すぐに壊れそう。



―カチャッ



そんなことを考えていると、入口の方から音がした。

先生でも来たのだろうか

まぁいい、悪い事をしているのは自分だし、隠れる気もない。



視線をフェンスの向こうに戻し、空を眺める。

なんて綺麗な快晴なんだろう



「あ」



入ってきた人の声が聞こえる。

どうやら、先生ではないみたい。