「わ…私もなんとか、無事ですわ。」
「ぼ…僕も。」
「私もよ。」
続いて、花子、宇治原、佐倉の声が聞こえる。
よし、艦橋組は、大丈夫か。
カルラの方は…。
「カルラたちは…。」
「見るな!」
後ろを振り返ろうとして、村山が叫んだ。
目線は自分のはるか後方。
艦橋と一体になっているICI室を見つめている。
「…女が見ていいものじゃない。」
…そうか。
「生きてはいるな?」
「大丈夫。…全員、息はある。でも、ピーチダックは…。」
「全機回収するよ。こちらで全部。何とかする。」
そうか、さすがは、化け物と天才のコンビやな。
佐々木君もカルラも頼りになるな。
「佐々木…お前、そんな血だらけの顔で…。」
村山が言ってくるが…。
「何とかすると言っただろう。何とかするよ。」
「…そうか。」
さすが、男やな。佐々木。
ちょっと見なおしたで。
「他の連中はだめか?」
村山が見るなというから、見ない。
自分は、血や人のけがに弱い。
それは、過去の経験からも分かっていること。
だから、あくまで前を見ながら、声だけで確認する。
「…命に別状はない。大丈夫。安心して。」
「…信じるからな。カルラ。」
「楓にまで、嘘はつかない。」
…そうか。


